「地域共生」を追求し生まれた新たな事業におけるDX推進
全社のDXを見据えドキュトーンを導入
アイウエアブランド「JINS」を世界で700店舗展開する株式会社ジンズ。同社は事業をスタートした群馬県前橋市に、地域共生型店舗「JINS PARK」を展開している。アイウエアショップのみならずカフェや屋上スペースなどを併設、イベント開催などを通じて「公園のように開かれたみんなの場所」として地域の人たちとの繋がりを創出している。そこから生まれた新たな事業運営においてドキュトーンを導入。常に新しい可能性を探る同社の事業にドキュトーンをどのように役立てていただいたのかを、地域共生事業部の白石 将氏に伺った。
- 【課題】アイウエアブランドが追求する「地域共生」 人々が集う場所に新たに生まれた事業でDX推進
- 【選定】全社に浸透したkintoneの活用 集約されたあらゆるデータの活用機会を見越した選定
- 【運用・効果】あるべきデータ管理の実現でミスも工数も削減
- 【今後】最先端の技術を活用した利便性向上を期待
【課題】アイウエアブランドが追求する「地域共生」 人々が集う場所に新たに生まれた事業でDX推進
アイウエアブランド「JINS」を全国に展開する株式会社ジンズは、2021年に創業の地である群馬県前橋市にフラッグシップとなる店舗「JINS PARK」を開設。アイウエアショップや併設するベーカリーカフェ「エブリパン」をはじめ、週末には地域の人々が集まり、ヨガや映画の鑑賞会、ワークショップを行うなど、その名の通り公園のように人々が集う場所として地域に根付いている。取材で訪れたJINS PARKは、地元の野菜の販売や地元のアーティストとのコラボレーションで実現した立体の上毛かるた等が並び、地域の人々との深いつながりが感じられた。
「JINS PARKで開催するイベントにたくさんの人が集まるのを見た当社の代表が、『ここを使って地域と一緒に何かやれるのではないか』と言ったのがきっかけで地域共生事業部が立ち上がりました。もともとJINS PARKの設立テーマが『企業が手掛ける公共』なんです。以来、企業がやる公共って何だろう?と模索しながらトライしてきました。」(白石氏)
色々と地域とコミュニケーションを考える中、新たに手掛けたのがコーヒー事業だ。
「コーヒー豆を自社で焙煎して、併設のカフェで出したり豆を販売したりしています。焙煎しているのはグループの特例子会社で雇用している障がいのある社員たちです。JINSグループでは2015年から障がい者の雇用を行っており、彼らが働く場所を増やしていきたいと常々考えていました。JINS PARKでの取り組みで、すでに展開する農業事業に加え新たにコーヒー事業を立ち上げることができました。『地域共生』って何だろう?と考えたときに、人が集うのはそこに『日常』があるからなんじゃないかということに行き着いたんです。パンもコーヒーも私たちの生活に日常的にあるものですよね。日常的に使うということはそれを求めて人が集う。如いては、それを維持するための雇用も生まれます。もちろん彼らがスムーズに対応できるよう作業の仕方を工夫しなければならないなど大変な面はありましたが、彼らが手間をかけて作るコーヒーは美味しいと言っていただいています。」(白石氏)
地域共生事業の一環として本社のすぐそばに開店したカフェ「ONCA COFFEE」は地域の人たちが集まる場所となり、カフェのパンやコーヒーが評判になったことで新たなニーズが生まれた。店内には色弱の方も含めて誰でも同じ見え方をする色として、青色に塗られた特注の焙煎機が置かれるなど、アイウエアブランドならではの想いが感じられた。
「ONCA COFFEE」と「エブリパン」のロゴ
「基本的には店舗での販売でしたが、時々コーヒーをギフト仕様にして納品してほしいとかパンをイベントに使用したいからまとめて買いたいといったお話を受けることもありました。いわゆる外商ですね。そういうケースの時は注文書や請求書が発生するわけですが、当時は注文書をExcelで作成して発行、その注文内容を社内にすでに導入されていたkintoneに入力すると、東京の経理がExcelで請求書を作るというフローになっていました。つまり、同じ内容を入力するシーンが3回発生していたのです。そこで、kintoneに入力したデータから注文書と請求書を発行できるようにしようと考えました。」(白石氏)
【選定】全社に浸透したkintoneの活用 集約されたあらゆるデータの活用機会を見越した選定
「kintoneのプラグインストアで検索して、ドキュトーンを知りました。製品情報を確認したら、Excelベースだったのでこれなら触れそうかなと。さらに御社からの説明を受けて、操作もしやすそうだし入れてみたいなと思った次第です。」(白石氏)
ドキュトーンを選定いただいたのには「今後の利用拡張性も期待して」という面もあるという。
「kintone自体はJINS社内では随分前から使っておりました。自分の使いやすいように簡単にカスタマイズできるので、私もこれまで新規事業を立ち上げるたびに活用してきました。既存の仕組みが使えない時は自分でkintoneを触ってアレンジしていました。逆に言えば社内にたくさんのアプリが存在するということですよね。今後他のアプリからのデータ活用ということも鑑み、ドキュトーンを選びました。」(白石氏)
【運用・効果】あるべきデータ管理の実現でミスも工数も削減
次に、ドキュトーン導入後の運用体制や効果などを伺った。
「元データを作成する私と発注書や請求書を発行する担当が2名、現在の運用体制はこの3名になります。案件数はだいたいひと月に十数件くらいで、それぞれに発注書と請求書が存在する形ですね。」(白石氏)
続けて、「とにかく管理が楽だ」と白石氏から嬉しい言葉をいただいた。
「同じ案件で発注書と請求書の数字が違うって、ありえないじゃないですか。でも別々に手業していたら間違いが発生する可能性はあるんですよね。でも一つのデータを流用する形であれば、その可能性はゼロになります。もちろん、最初のデータ入力が正確さは絶対ですが。操作に関してはとても簡単ですし、データ管理も格段に楽になりました。」(白石氏)
【今後】最先端の技術を活用した利便性向上を期待
今回の導入を経てオプロやドキュトーンへのリクエストについて伺ったところ、白石氏から次のようなコメントをいただいた。
「導入に際しては、営業やサポートの方に丁寧に説明いただきました。2回ほどレクチャーの機会を作っていただき、そのあとはスムーズに運用に入れたので、きちんとサポートいただけた印象です。」(白石氏)
また、今後への期待としては活用が広がるAIというワードが挙がった。
「ちょっと複雑な設定するときに、生成AIを活用できるともっと使える人が増えるんじゃないかなと思いますね。例えば、『このアプリから発注書を作りたい、フォーマットはこれ』みたいな設定するときに、必要なデータが参照で出てくるとか。文章で指示をしたらフォーマットができるようになったら、もう誰でも使えますよね。」(白石氏)
今後は紙ベースの定形業務になっている部分や、備品の発注にもドキュトーンを活用していきたいという白石氏。
アイウェアに加えて地域共生という新たな取り組みを進めていくために、ジンズのDX化はさらなる広がりを見せていきそうだ。
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